
シュガーケーン/SUGAR CANE
シュガーケーンの歴史は古い。
シュガーケーンは母体となる東洋エンタープライズより1975年、代表の小林氏によってスタート。
レプリカ作りを始めたのが1980年前後というのだから老舗中の老舗だ。
(ただしその頃のものは形だけを真似たものであって、
本格的なレプリカジーンズを販売し始めたのは80年代後半〜90年代前半になる)
シュガーケーン(東洋エンタープライズ)がスタートする以前も、
前進の港商という会社でPXにスカジャンなどを納入していた実績を持ち、他ブランドと比べても圧倒的に歴史が深い。
前進とは言え自社が50、60年代に販売していたスカジャンが今ではビンテージと呼ばれ、
そのスカジャンを自社で復刻しているなんてブランドは他にはないであろう。
このサイトを閲覧してるみなさんにとってシュガーケーンのジーンズと言えばどんなイメージなのだろうか?
低価格を実現したスタンダードシリーズや異素材である砂糖黍を混合した砂糖黍シリーズが今やシュガーケーンの代名詞となっているが
僕のシュガーケーンのジーンズに対するイメージはまさに「質実剛健」だった。
今のような展開がされる前のシュガーケーンは実に質実剛健なジーンズを生産していた。
ジーンズブランドのアイデンティティとも言えるパッチがなく、
本来パッチのあるべき場所にはただステッチのみが施されていた。
(当時、パッチがあるジーンズも数型ラインナップされたがやはりブランドネームは刻印されてなかった
ブランドネームが刻印された布パッチのモデルが初めてラインナップされたのは90年代中期から)
このようなブランドの個性を主張せず、
ただ復元のみに心血を注いだシュガーケーンのジーンズは当時私には実に質実剛健に映ったものだ。
なにか子供には手が出しづらい大人のためのジーンズといった雰囲気すら僕はシュガーケーンに感じた。
実際、シュガーケーンの購買層は10代の子供というよりは20代から中年層までの大人層が主だったと思う。
その色落ちも派手さはないが絶妙なさじ加減で、ブランドの方向性に合ってたと思う。
そんなシュガーケーンが脱レプリカ&オリジナル路線を高々と広告に載せてアナウンスしたのが97年だったと記憶している。
質実剛健だと感じていた僕のシュガーケーンへのイメージが一新されたのがまさにこの瞬間だ。
この脱レプリカ&オリジナル路線はお世辞にも成功とは言えない結果で終ったが、当時度肝を抜かれたファンは多いはずだ。
そして、こうした大胆とも言えるチャレンジこそが
後のシュガーケーン史上大ヒット作となるスタンダードと砂糖黍の誕生に繋がっていくのである。
そんなシュガーケーンの現在のラインナップは、まったくと言って良いほどコンセプトの違うシリーズが複数展開されている。
ビンテージのジーンズの再現を目指しながらも脅威の低価格帯を実現したスタンダード。
ブランド名の和訳でもある砂糖黍を生地に混入し、個性的なディテールが特徴の砂糖黍。
アメリカの工場での縫製を徹底し、メイドインアメリカにこだわったメイドインUSA。
過去に実在したブランド名をそのまま冠し、当時のディテールを徹底的に追及した実名復刻。
そしてかつてPXに納入した自社生産のジーンズを現代にアレンジして蘇らせたスタージーンズ。
そして、東洋エンタープライズはシュガーケーンではなくバズリクソンズネームでもジーンズをリリースしている。
こちらは大戦モデルとXXモデルの2種しかラインナップされていないが、
価格的に見ても東洋エンタープライズがリリースするジーンズの中でも最高峰に位置付けされるジーンズとなっている。
また、フリー&イージーでお馴染みのクリストフ・ルアロン率いるMr.Freedomや
気鋭のデザイナー、ミハラヤスヒロ氏、作家のウィリアム・ギブソン氏とのコラボなど
懐の深いシュガーケーンのならではの試みも見逃せない。
これらのどれもが異なった魅力を放つシュガーケーンならではのジーンズに仕上がっているが、
色落ちの特徴としては、自然なタテ落ち感を味わえるスタンダード、MADE IN U.S.A、実名復刻、スタージーンズ、
そしてバズリクソンズのジーンズライン。
爽やかな香りと独特な肌触りの生地感、過激なタテ落ちを味わえる砂糖黍シリーズ。と言ったところだろう。
シュガーケーンのジーンズは砂糖黍シリーズを除いて基本的に派手な色落ちではなく、
全体的にあまりやりすぎない自然な表情が特徴と言えると思う。
派手さはないものの、従来のジーンズファンを納得させることのできる色落ちを味わうことができる。
また、あまりクローズアップされないが、シュガーケーンやバズリクソンズのジーンズはパーツも徹底的にこだわって作られている。
革パッチ1つをとっても流用品ではなく、自社でなめしから開発したという革を用いて作られている。
ミリタリーラインであるバズリクソンズではレザーフライトジャケット(A-2)などをメインアイテムとしているが、
そういったレザーアイテムで培った技術が革パッチという小さなパーツであれ惜しげもなく投入されている。
今では当たり前の風潮すらあるが、鉄ボタンなどの採用もシュガーケーン(バズリクソンズ)は早かった。
母体である東洋エンタープライズは他のブランドに比べると大きい会社と言えるだろうが、
そのため企画や生産、流通といった部分でも他ブランドを圧倒的に凌駕する力を持っている。
ただ、個人的に宣伝の部分がイマイチのような気がしてならない。
シュガーケーンに限らず東洋エンタープライズというブランドが持つポテンシャルを存分に発揮できてないように思う。
どこか他ブランドに比べてワンランク下といった風潮すら感じてしまうのは私だけだろうか。
これは価格帯が他ブランドに比べて控えめという部分にも起因してるのかもしれないが、
決してクオリティーが低いから安いのではなく、
他ブランドに比べて生産量を多くできるため価格帯を抑えることができるということを忘れてはいけない。
つまり、価格帯は控えめながらもクオリティーの高いアイテムを提供してくれる
シュガーケーンやバズリクソンズはアメカジファンにとっては実にありがたいブランドなのだ。
例えば、もはやシュガーケーンを代表するジーンズの1つといっても良いスタンダードシリーズの1947だが、
この低価格はシュガーケーンだからこそなしえるもので、
仮に他ブランドで同じクオリティのジーンズをリリースする場合、シュガーケーンと同価格にすることは難しいだろう。
あなたがもしシュガーケーンに対して少しでも負のイメージを持ってるとしたら是非とも一度振り払って欲しい。
ゼロからシュガーケーンを見ることができれば今までのイメージが覆されることは間違いない。
低価格、高クオリティーのシュガーケーンのジーンズはもっと見直されるべきジーンズなのだ。
| シュガーケーンのジーンズラインナップ |
| スタンダードシリーズ SC41947(1947年製のXXがモチーフ) SC40285(特殊な染料を用いたカラーデニムのストレート) SC40321(517がモチーフのブーツカット) SC40382(特殊な染料を用いたカラーデニムのブーツカット版) 砂糖黍シリーズ SC40701(通称レインボーデニム。数色の経糸を織り上げ、独特の色落ちが楽しめる) SC40301(琉球藍混。琉球藍と合成インディゴをミックスして染色) SC40401(ハワイ藍混。ハワイ藍と合成インディゴをミックスして染色) SC40501(江戸藍混。江戸藍と合成インディゴをミックスして染色) SC40601(琉球藍混スラックデニム。テンションを限界まで緩めて織る事で手織りの質感を再現) SC40302(日本古来天然染め。泥染や柿渋、緑茶など日本古来の天然染めを施したカラーデニム) SC40801(スウィートリサイクルデニム。リサイクルした砂糖黍を用いて作られたデニム) SC40460(ミハラヤスヒロ氏とのコラボ。前後で異なった生地を使用したデザイナーの発想ならではの斬新さ) SC47161MA(ミスターフリーダムとのコラボ。3種類の異なった生地を使用したデニムトラウザーズ) SC47163A(ミスターフリーダムとのコラボ。デニムユーティリティトラウザーズ) メイドインUSAシリーズ SC41955(55年製のZXXがモチーフ) SC41966(66モデルがモチーフ) スタージーンズシリーズ SC40065(ユニオンスタージーンズ。最もスタンダードなディテールを持つ) SC40003(1900年代初頭のディテールをアップデートしたモデル) SC40051(左綾、ジッパーフロント) SC40045(ユニオンスタージーンズに大戦モデルが存在したらという仮定の元生産された大戦モデル) SC40533A(USA市場向けの言わば逆輸入モデル) 番外編:バズリクソンズのジーンズ M43019(大戦モデルがモチーフ) M43023(戦後のXXがモチーフ) BR40019(ウィリアム・ギブソン氏とのコラボで大戦モデルのブラックバージョン) |
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