RED WING/レッドウイング 2268(PT91)

レッドウイングのエンジニアブーツ、2268(PT91)です。

さて、我が家のエンジニアブーツのエース、レッドウイングの2268が初登場です。
日本においてエンジニアブーツと言えばこのレッドウイングが最もメジャーな存在と言えるのではないでしょうか?
ウエスコなんかに比べるとその買いやすい価格帯もさることながら、レッドウイングというネームバリュー、
気軽に買える国内流通量の多さ、そしてなんと言ってもそのかっこ良さ、
とどれをとってもメジャーたる理由がそこにはあります。
かつての渋カジブームより今日までキングオブエンジニアブーツの名をほしいままにしてる存在と言えるでしょう。
そんな僕もこのレッドウイングのエンジニアブーツが大好きな一人です。

今回はそんなレッドウイングのエンジニアブーツ「2268」をまとめて2足紹介したいと思います。
どちらも俗にPT91と呼ばれてるモデルになります。

このPT91というのはトップエンド内側の折り返し部に縫い付けられているタグ(上画像)に記載された、
「ANSI Z41 PT91 M I/75 C/75」
という文字列の中にあるPT91の部分が俗称として呼ばれてます。
ジーンズにも例えばリーバイスなら、ビッグE、66前期、66後期、赤耳などの俗称がありますが、
簡単に言えばおよその年代を特定するディテールの一つと言えると思います。
しかしながら、この「ANSI Z41 PT91 M I/75 C/75」という記載は製造年を表す記載ではなく、
あくまでも、ANSI(米国規格協会)が定めたスチールキャップの規格を表す記載であり、
PT91の91という数字もその規格が定まった年を表す記載となってます。
(PTはProtective Toeの略。直訳すると保護的なつま先、つまりはスチールトウの事です)
つまり、このエンジニアブーツは91年に定まった規格に適合したスチールキャップが搭載されているという事になります。
他にPT91の部分がPT83やPT99といったものもありますが、
同様にそれぞれ83年、99年に定まった規格に適合したという意味です。
もうお気付きかと思いますが、例えこれらと同年代に作られたブーツだとしても、
基本的にスチールキャップが搭載されてないブーツにこのPT○○の表記はありません。

91や83、99などの数字は、決して正確な製造年を表す記載ではありませんが、
およその年代を特定するという意味でこのPT○○という俗称で呼ばれてます。
そもそもなぜこのPT91やPT83、PT99などのおよその年代で区別されてるかと言いますと、
一般的にこの頃のエンジニアブーツに使われてる革は現行のものよりも質が良いとか、
シルエットやフォルムが違うとか、ディテールやパーツが違うとか、そういった理由からです。
この辺は後述しますが、何を以って質が良いとするかは人それぞれ感覚も違いますし、
一概にこれが良いとは言えないのかもしれせんが、確かに現行のものとは異なる部分もあり、
これらの俗称が現行のものと差別化を図るという意味合いでも存在しているのは明らかです。
例えばリーバイスの501でも「やっぱりXXの色落ちが一番」とか、
「自分はXX以前よりもビッグEの頃の色落ちが好きだ」とか、
「いや、自分は66モデルの頃のシルエットが好きだ」とか「色落ちが良いのは66前期まででしょう」
なんて会話は普通に交わされてる内容だと思いますが、
このレッドウイングのエンジニアブーツ「2268」においても、
「革質が良いのはPT91まで」とか、「シルエットが良いのはPT99まで」
なんて会話が交わされてるというわけです。

さて、ここからは今回紹介するPT91をチラっと解説していきたいと思います。
PT91と一口に言っても、一般的に前期/初期、中期、後期の3種類に分けられてます。
前期/初期は右足のインサイド(トップエンドの下辺り)にロゴと製造年が刻印されてるもので、
この前期/初期の場合は正確な製造年が分かるようになっています。
PT91の場合は主に93年、94年の2種類の刻印が確認されており、
これらの刻印がある場合はPT91の前期/初期と呼ばれてます。

(PT91ではないですが、当方所有のPT83のインサイド刻印。92年製ということが分かります)
ちなみに、この頃のウエスコもファンには人気が高く、現在市場では高値を付けてます。
国内流通価格が高い分、レッドウイングよりもだいぶ高額ですが。

中期はこの刻印がなくなったもので、タグのロゴや記載がプリントになってる通称プリントタグと呼ばれてるもの。
もちろん前期/初期もこのプリントタグになります。
プリントタグ+刻印が前期/初期で、プリントタグで刻印なしが中期です。
今回、アップしたエンジニアブーツがこれにあたります。
主に90年代の半ばから後半に出回っていたものです(もちろん例外はあります)

そして後期はこのタグがプリントではなく刺繍になったもので刺繍タグと呼ばれてるものです。
つまり、刻印なし+刺繍タグが後期となります。
主に90年代の半ばからPT99へ変わるまで出回っていたものです(もちろん例外はあります)

前期/初期だの後期だのここまで書いておいてなんですが、
物自体はこれらで判断できない部分がありますので、
これらの判断材料はあくまでも目安程度に考えておいた方が良いです。
これらで判断できない部分として革の違いという部分が挙げられると思いますが、
この頃のエンジニアブーツの革には茶芯の革とそうでない革が混在しています。
この茶芯と呼ばれる革は、履き込んで表面の染色(黒)が落ちてきた部分や、
傷が付いた部分などに下地の茶色が現れて来て黒と茶色のグラデーションのような褪色を味わえる革です。
これが完全なるクロムなめしの時代へ移行してくると、履き込んでも茶色は現れず、
灰色っぽい褪色となります(下地のクロムなめし革特有の色)
茶芯の場合は染色前の革が元々茶系色というのもありますが、
革の中心部まで染料が十分に行き届いてない場合も多く、
次第に黒が剥げ落ちて下地の茶色が現れてくるというわけです。
例えばPT91の場合、中期までにこの茶芯の革が多いと言われてはいますが、
実際に見てみないとなんとも言えないというのが実際のところではないでしょうか。
実際、PT91後期にも茶芯は存在しますし、遡ってPT91以前のPT83でも茶心でないものが混在してたりします。
ですので、この前期/初期や中期、後期といった表現に惑わされるよりも、
実際にものを見て判断するのが一番かと思います。
すでに褪色してるものは別として、そうでない場合の見分け方は革の「断面」を見て下さい。
革の断面が茶色ならば茶芯と見て間違いないと思います。
これが黒っぽかったり灰色っぽかったりする場合は茶芯でないことがほとんどです。
ちなみに、PT99以降はほとんど茶芯の革は存在しないようですので、
もし茶芯のものを探す場合はPT91以前のものを探すのが良いでしょう。

また、現行のものは革の質感自体も変わったと言われてます。
確かに現行のものはあまり表情がないと言いますか、ゴムのような質感の革質に変わったと言えると思います。
革の厚みもオールドモデルに比べると薄くなってきているようです。
なぜこのように変化していったかと言うと、
一説には混合なめしの比率やレシピが変わったためとか、クロムなめしへ移行したためなどと言われてます。
実際、現在のレッドウイングの革はなめしを終えた段階で、
「ウェットブルー」と呼ばれるクロムなめし特有のブルーグレー色の革なので色が剥げても当然茶色ではありませんし、
品質も当時に比べると極力バラつきを抑えた一定のものになります。
ただ、品質が一定ということはそれだけ毎回安定して同じものが買えるということでもありますし、
一概に悪いとは言い切れない部分はあります。
が、
ジーンズでも同じですが、品質にバラつきのあった不完全な時代のものが好まれるという図式は
このレッドウイングのエンジニアブーツにおいても共通となっているのが実情です。
加えて、元々の原皮が当時とは違うということも原因の一端ではありましょう。

以上のような現状が現行のものではなくオールドモデルを探してる方が非常に多い現状を招く要因だと言えると思います。

尚、レッドウイングはブーツブランドとしては珍しく自社タンナリーを持つ希有なブランドです。
他のブランドは他社タンナリーから革を仕入れて製造するのが基本ですから、
革まで自社で製造管理してるブランドはかなり珍しい存在と言えると思います。

クロムエクセルや茶心のホースハイドなんかのエンジニアブーツが様々なブランドより買える昨今、
そこまでレッドウイングの茶芯云々にこだわる必要はないかと思いますが、
現行ものの革質に疑問を持たれた方には一つの選択肢としてはありかと思います。
ただ、個人的にレッドウイングの魅力はコストパフォーマンスにあると思ってるので、
ビンテージならまだしも、たかが20年程前のオールドモデルにプレミアが付くのはどうかと思います。
需要が有るから成り立つのでしょうが、
オークションなんかでプレミアを付けて高額で販売してるような業者を見ると寂しくなりますね・・・

今回、紹介するこのエンジニアブーツは前述したとおり、どちらもPT91のプリントタグとなります。
なんで2足も載せたかと言うとソールが違うんですよ。
どちらも純正ではありませんが、ソール交換の際あえて違うものに張り替えてみました。
この2足、物としては同時期に製造されたものなのでディテール的には違いがないのですが、
表れてきた下地の色の色合いが微妙に違うんですよね。
左のものは右のものに比べて色合いが濃い感じなんですよ。
ですのでそれに合わせる感じでソールも違うものをチョイスしてみました。
ソールの詳細は下に書いてます。


インステップ及びトップストラップとバックルです。
現行のものとはストラップの取り付け位置やバックルの形状、厚みなどに違いがあるようです。
そもそもレッドウイングのバックルは他社のものに比べると大きめな作りが特徴と言えると思います。
それに合わせてベルトも太目のものになってます。
また、レッドウイングの場合、インステップストラップに付いたバックルが正方形なんですよね。
他社のものだとここのバックルは横方向が長い長方形が多いと思います。
今から約10年以上前に製造されたブーツなのでバックルはくすんでほとんど光沢がなくなっています。

また、現行のものとはヴァンプの革のカッティングやシャフトの太さなどにも違いがあるようですね。
それと、この頃にはヴァンプにクリッピングマークが見られる場合もあります。
履き込んでいくと見えなくなってくる部分ですのでユーズドのものには確認できない場合も多いですが、
右のブーツにはまだうっすらと確認できます。

同時期に製造されたものなのでカウンターやバックステイにも違いは見られません。
この頃の革は現行のものに比べて光沢感も強いですよね。
靴墨なんかで磨かなくともご覧のとおり革に艶があります。

前述したソールについてですが、
左のはダブルミッドのビブラム#705(茶)で、右のは前ダブルのビブラム#700(アンバー)となります。
どちらも違ったかっこ良さがあると思います。
左のはヴィンテージのようなツーピースタイプで、
右のは一見ヒールのラバーを除いた部分がレザーソールにも見える感じ。
右のは前半部だけがダブルミッドで後半はシングルミッドになってます。
ホワイツなんかで言うウェッジミッドの逆ですよね。
僕はダブルミッドが好きなんですが、踏まず部が厚く平坦になってしまうのが苦手なんです。
いや、苦手というかここにメリハリがあった方がかっこいいと思うのです。
左の705のようなセパレートタイプなら、この踏まずにアウトソールがない状態なので良いのですが、
700や430のような1枚ソールの場合、ダブルミッドにするとこの踏まず部がどうしても一直線に厚くなってしまいます。
そこでこの前ダブルというわけです。
これならばミッドソールが踏まず部から薄くなってるので、アウトソールが通ってもそこまで厚くならず、
前から見ても横から見ても実に良い感じに仕上がります。
この辺はもうほんとに好みの世界なんですが。

左が705でヒールも700/705兼用のヒールです。前半部にはしっかりとボブステッチも入ってます。
右のはホワイツに純正で付いてるQUABAUGを付けてもらいました。
QUABAUGは700ヒールに比べると厚みがないので、
よりヒールのレザーを強調したい時はバッチリのヒールだと思います。

最後にタグの画像です。
よく見るとロゴの書体やウイングマークに微妙に違いがありますが、
これが所謂プリントタグのPT91と呼ばれてるものです。
後期のものになるとこのロゴや英数字が刺繍されたものへと変わってきます。

ちなみに、下の画像は当方所有のPT83の旧羽タグ(左)とPT83表記のタグ(右)です。
基本的にPT83はPT91以前、旧羽タグはPT83の中でも古いとされてます(どちらも混在はありますが)
尚、僕が所有している旧羽タグのものは、
他のものと全く革質が異なっていて、PT91よりも革に艶がない感じです。
それと染料の剥げ方も全体的にクラックが入っててまたPT91とは違う感じですね。
尚、旧羽タグの場合、PT表記はタグではなくシャフト内部に直接プリント(印字)されています。


レッドウイング/RED WINGのエンジニアブーツ「2268」PT91|の〆

さて、なんかクドクドと解説だらけになった感がございますが、
最終的にはかっこ良ければ全て良しだと思ってます。
PT91だから、PT83だからといった単なる判断材料に惑わされるのではなく、
自分自身がそのものをかっこ良いと感じればそれで良いと思います。
確かにこの頃より以前のレッドウイングのエンジニアブーツは、
茶芯であったり、フォルムであったりの魅力的な部分が多いのは事実ではありますが、
いつでも気軽に買えるという意味での現行の存在価値は十分にあると思います。
現行があるからこそのアフターケアなども万全ですしね。
レッドウイングのエンジニアブーツ「2268」には、キングオブジーンズのリーバイス501と同様、
これからもキングオブエンジニアブーツとして長きに渡り君臨していってほしいですよね。

今後もし現行のものや他の時代のものを手に入れる機会があれば、
さらに比較なんかもしてみたいと思ってます。
09.9/4



デニムギャラリー内で紹介している他のレッドウイング
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エンジニアブーツ
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2248
レースアップブーツ
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